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「鬼切……丸。」
激烈な戦闘の記憶。
これは、俺に向けてのメッセージなのだ。
『……帰ってこい。
記憶を、自分を取り戻して。』
俺は、誰かに優しく肩を抱かれたような錯覚に思わず瞳を上げ、自らの頬を伝うものの熱さに気付いた。
「その涙……。
お前、このメッセージの意味が解っているんだな?」
呆れたような吐息と共に、ローラは俺を見つめている。
小さく頷いた俺は、テッドに振り返った。
「オヤジさんの、あの〈One Step Down〉はどうなってる!
……閉店ってのは、どういう意味だ!?」
「……さぁな?」
テッドは、唇を吊り上げて肩を竦めた。
「お前はまだ、何一つ此方の質問に答えちゃいないんだ。
……お前が何者なのか、そして、この携帯端末の持ち主が誰なのかも、だ。」
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