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群衆のどよめきが、うねるように響き渡った。
――ジャキンッ!
会場を左右から囲うように並んだポーンズが一斉に抜剣し、その刃を天空に向ける。
居並ぶ鉄巨人達の偉容。
〈捧剣〉の姿勢をとった騎体は鐵色の装甲を鈍く耀かせ、直立不動のまま身じろぎ一つしない。
群衆のどよめきはいつしか消え去り、痛い程の沈黙が辺りを圧し包む。
一種異様な静けさの中、浮遊戦艦ならではの機動音が降り注ぎ、〈神殿〉の向こうから巨大な艦(ふね)が姿を現した。
懐かしい旗艦ハイペリオンそっくりな滑らかな巨躯。
しかし、その色はまるで、葬送の列のごとく艶やかな漆黒。
徐々に高度を取りながらサーチライトの照度を上げ、幾筋もの光軸が群衆の波を照らし出す。
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