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大袈裟に両手を広げてみせた男の背後にはやはり、漆黒の神像が屹立し、集中したサーチライトにその姿を浮かび上がらせる。
……ルーク?
見馴れたそのシルエット、それは間違いなく我が愛騎ルーク・オブ・ドラグーン。
壊れたまま格納庫の床に横臥する騎体へと視線を送り、俺は再びモニターに食い入った。
『復活せし黒き竜!我が愛騎ルーク・オブ・ドラグーンは生まれ変わった!
ハイペリオンにかわる旗艦〈ギガ・パルテノン〉と共に!
そして、今度こそ人類の元へ、奪われし大地を取り戻すだろう!』
黒く塗り込められたルーク・オブ・ドラグーンは、得体の知れぬ禍々しさで群衆を威圧し、フェイスガードの奥で、その瞳を紅く輝かせた。
――!
クローズアップされた騎体と、壇上の男を映し出したまま、突然ホログラム映像が凍りつく。
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