辺境騎士団

16/27
前へ
/982ページ
次へ
大袈裟に両手を広げてみせた男の背後にはやはり、漆黒の神像が屹立し、集中したサーチライトにその姿を浮かび上がらせる。 ……ルーク? 見馴れたそのシルエット、それは間違いなく我が愛騎ルーク・オブ・ドラグーン。 壊れたまま格納庫の床に横臥する騎体へと視線を送り、俺は再びモニターに食い入った。 『復活せし黒き竜!我が愛騎ルーク・オブ・ドラグーンは生まれ変わった! ハイペリオンにかわる旗艦〈ギガ・パルテノン〉と共に! そして、今度こそ人類の元へ、奪われし大地を取り戻すだろう!』 黒く塗り込められたルーク・オブ・ドラグーンは、得体の知れぬ禍々しさで群衆を威圧し、フェイスガードの奥で、その瞳を紅く輝かせた。 ――! クローズアップされた騎体と、壇上の男を映し出したまま、突然ホログラム映像が凍りつく。
/982ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7017人が本棚に入れています
本棚に追加