7017人が本棚に入れています
本棚に追加
……い?
にこやかに笑って見せた唇を凍りつかせ、俺は鳴らした指ごと凝り固まった。
「俺達もボランティアじゃねぇからな?
救助作業とオーバーランに掛かった経費は回収しなくちゃならん、まして、俺達の輸送船は派手に傷んで、次回の契約を破棄しなくちゃならないんだ。
莫大な保証料と、業務不履行の違反金……。」
「――ツケを回せる〈アテ〉があるって言ってたよな?」
テッドの言葉を引き継いで、パットは酷薄な笑みを浮かべた。
「コイツが請求書の写しと内訳だ。
軍閥と防疫戦線には、いつもやられっぱなしだからな?
たまには、ガッツリ儲けさせてもらうぜぇ?」
いつの間に近付いたのか、ローラはクリップで留めた請求書の束で、俺の頬をヒタヒタと叩いて笑った。
……おいおい。
最初のコメントを投稿しよう!