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シィンが大きく伸びをしたので、私は少しだけ躯をずらした。背もたれに躯を預け、頭の後ろで手を組んだ彼は、私を見上げて笑う。
「クィンリィとは良く名付けたもんだよ、あれは〈女の子〉なのさ。」
いつの間にか、モニターにはクィンリィとルークの透視画像が映され、その骨格の違いを比較評価していた。
ヒトの骨格そっくりなフレーム。人工物というよりは、あまりに有機的で精緻な構造――。
確かにルークは雄型、クィンリィは雌型と言っていい特徴を備えているように見える。
「起動試験してみたいけど、外科的処置がなければ完全なシンクロは不可能だし、それじゃあフルパワーは望めない。」
現状では、クィンリィでルークは倒せないということか……。
私は顎に手をやってモニターを睨んだ。それにしても何故、雄型雌型を設計したのだろう。
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