7017人が本棚に入れています
本棚に追加
「面白いものを見せてあげるよ。」
シィンはそう言って一枚の写真を取り出した。伸ばした人差し指と中指に挟んで、ヒラヒラともったいをつける。
ひったくるようにプリントを奪い、向きを確認するとシィンは肩を竦めながらモニターを切り替えた。
「加工画像でしょ? それとも映画かなにかかしら。」
何処かの発掘現場らしく、掘り返した土の中を往き来する人の姿が焼き付けられている。
私が加工画像だと決めつけたのは、発掘されている化石の中に、ヒトの頭蓋骨らしき物体が映り込んでいるからだ。それも、かなり大きな――作業員との比較で言えば2メートルを遥かに超すサイズの。
最初のコメントを投稿しよう!