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ウイッツ副司令とコバヤシ大尉の話が横に逸れるのは、恐らく部隊の指揮をとった私に対する配慮だろう。私の周りを、ぎこちない沈黙が圧し包んだ。
「さて、すっかり朝になってしまいましたが、司令官は〈定例会議〉の筈では?」
話の向きを変えた副司令は、ルナの肩に手を置いて踵を返した。
定例会議とはロス卿を筆頭とする組織のトップミーティングである。ルナによれば多分に儀式的要素を含んだものであるらしく、私達は皮肉を込めてこう呼ぶのだった。
「そうでした! 遅れるといけませんね。」
幼女のように円らな瞳の前で両の手を合わせ、ディアナ・ルナ・ロスチャイルドは、些か素頓狂な声を張り上げた。
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