7017人が本棚に入れています
本棚に追加
「は~い♪ 痒いところはないですか~?」
バスタブの泡にまみれながら、ルナは声を弾ませている。彼女は後ろに膝立てになり、私の髪を楽しそうに洗っているのだ。
……やれやれ。
私のぼやきは、泡になってブクブクと弾けた。
私は女の子に欲情する癖はないが、背中やうなじに触れる滑らかな膨らみやら、硬さを違えた頂やらがこそばゆく、ある意味、異様な緊張の虜になっているのだった。
鼻から下を泡と湯の境界に沈めたまま、バスタブ脇の大鏡に眼を上げると、陶器のようなルナの肢体が映り込んでいるのが見えた。
紅い瞳。
透けるような銀の髪。
最初のコメントを投稿しよう!