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コンタクトを外し、特殊な専用シャンプーで髪を洗った彼女は、文字どおり〈生まれたまま〉の姿に戻っている。
はしゃぎながら人の髪を洗う様は、まるでままごと遊びに興じる幼児のようだが、無邪気な分だけ無防備で、それがかえって私をどぎまぎさせるのだ。
……しかし。
私が男なら、ほっとかないわよね、やっぱり。
それはやはりアイツにしてもそうだろうし、それが少しだけ悔しく、そして悲しくもある。
私は、湯の中で膝を抱えて肩を落とした。
「どうしたのノーラ。シャンプーが目に入った?」
俯いた私を気遣い、ルナは泡立てる指先を止めた。
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