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私は自身の醜い嫉妬に気付かれまいと、必死に話の向きを変えた。
「さっき、ガウンと一緒に並べてたのって、ベビーパウダーじゃなかった?」
……そんなに綺麗な肌をしてるってのにさ。
お肌の手入れにしては、余りに不自然――というか、他に適した化粧品が幾らでもあるだろうに。
「ああ。――私、子供の頃肌が弱かったのね。」
……なるほど。
洗う指を再び動かしながら、ルナは遠い眼で記憶を手繰る。
「アルビノのせいもあるのかな。汗疹や湿疹が酷くて、女の子なのに髪も伸ばせなくて、いつも丸刈り。アレルギーも凄かったから痩せててね、付いた渾名が〈アウシュビッツ〉だった。」
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