インタールード2

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「ロス卿の施設で? そりゃまた勇気のある意地悪ね。」 ロスチャイルド卿がユダヤ系――と言うよりはユダヤを纏める〈王〉であることは周知の事実だ。私は溜め息を吐きながら、幼い頃の彼女に向けられた仕打ちを憎んだ。 「そうね。特殊な子供ばかり集められた施設だったし、大人は私達をモルモットみたいに扱ったわ。」 クスクスと笑いながら手早く髪を流し、軽くブラッシングしながらトリートメント。ルナの手際は鮮やかで、サロン顔負けの心地よさだ。 「でね、中でもうんと怖い看護婦さんがいて、太ってたから渾名が横綱でね。髪の結い方が変だったから髷をナースキャップで隠してる――なんて、陰口叩いてたんだけど。」
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