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嫌な思い出だろうに、ルナは何故か楽しげに声を弾ませる。
「でね、子供達にも怒鳴ったりお尻叩きしたりして、うんと嫌われていたんだけど。他のね、先生達にも同じように怒鳴ったりするのね。」
ふんふん。と私は鼻を鳴らして先を促す。
「先生って言っても、只の先生じゃないの、みんな博士号や偉そうな肩書きを持った人達よ? それを、モップ振り回して追いかけ回したりするのよ。」
ルナの思い出し笑いに、私もつられて肩を揺らした。
「湿疹が痒くて痒くて眠れない夜にね、横綱が私にしてくれたのがベビーパウダーだった。投薬や食事なんかも厳しく管理されてる施設だったから、あれは彼女の私物だと思う。『いいかい、ルナ? これは魔法の粉。肌が強くなる魔法の粉だよ? そしてこれは誰にも内緒。魔法の粉は内緒と秘密で出来てるんだからね?』なーんて言って、その晩は朝まで抱いて眠ってくれたわ。」
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