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「あうぅ……」
ハッ…!しまった!真菜のことを、すっかりきっぱりキレイさっぱり忘れていた。
「ああ 真菜、すまない、放ったらかしで」
「はう…大丈夫です。ボクなんて生まれてこなければ良かったんです。ごめんなさい、生まれてきて すみません」
うん、真菜は自己嫌悪しすぎだな。とりあえず落ち着かせるか。
「そんなことはないさ、真菜。生まれてきてくれたから今、こうして話せてるんだから」
「…でもぅ……」
「でも もクソもなーい!真菜は生まれてきて良かったんだ。分かったか?」
オレは真菜の手を握り締める。真菜はビクッとしていたが、振り払うことはしなかった。
ムフフ…マナマナの手柔らかい。ふにふにだ。ふにふに。
オレの手は止まることなく真菜の手を、ふにふにする。真菜は顔を赤くしながら揉まれるがままだ。うむ、今がチャーンス!
オレは真菜の その柔らかい唇にオレの唇を重ねようと身をかがめる。
キーンコーンカーンコーン。
…なんてバッドタイミング!授業が始まるチャイムじゃないか。くそぅ…あともう少しだったのに。
オレは仕方なく席に着く。マナマナは、テチテチと小走りに自分の席に戻っていく。その背中…じゃなくて尻を見ながら、可愛いと思うオレだった。
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