金持ちのボンボン

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ん?前方にゴミの塊…人を発見。いやはや大量のゴミを抱えて、関心することこの上ない。 オレはソイツの横を通り過ぎる。 「おい」 「おい」 「おい!」 誰か呼んでるぞ。3回も呼ばれてるじゃないか。返事くらいしてやれよ。 「おい!そこのオマエだよ!オマエ!!!」 ……あれ?まさか…オ・レ? オレは華麗に振り返る。 「おい、オマエ!なぜ呼んでいるのに、返事をしないんだ!」 コイツは大量のゴミを、ワサワサと落としそうになりながら叫ぶ。 ああ やっぱりオレだったのか。 「オレはオマエって名前じゃありませーん。それじゃあ」 オレは手を振ってその場を去ろうと思った矢先、 「キッ、キッサマァァアアア!!!おい待て!僕を誰だと思っている!」 ハァ…うるさいヤツだ。 このままギャーギャー言われても迷惑だからなぁ。 「君は誰なのかな?」 「あぁ…僕は西原だ。まぁ…西原財閥と言えば、庶民には分かりやすいか。」 「いえ、全く」 「オマエは馬鹿か、庶民!!良いだろう、教えてやる。感謝したまえ!」 それから西原は、何だかんだ説明し出した。 西原いわく、西原財閥とは 世界でも有数の、とにかくデカイ会社らしい。西原のお父さんが社長なんだってさ。なんだ、金持ちのボンボンか。 「そんな偉い西原君が、ボクに何か用かな?」 「うむ。分かればいいんだ庶民。実はだな、このゴミを一緒に運ばせてやってもいいぞ。」 「やだね」 「キサマッ!この西原財閥の跡取りの僕が、頼んでいるというのにだなぁ!!」 金持ちって、こんなに うるさいんだ。藤田、知らなかったよ。
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