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翌朝 オレは校内の掲示板の人だかりに驚いた。
だって、学校来ていきなり人が集まってるんだもん。藤田、ビックリ!
一体何事だろう。
オレは、人を掻き分け掻き分け掻き分けまくって やっとの思いで掲示板を見る。
…ビッグニュース?転校生がやってくる?チッ、新聞部のやつめ…こんな記事を書くぐらいなら もっとましなのを書け。
オレは、内心そんなことを呟きながら教室に向かう。
すると誰かが服をツンツンと引っ張ってくる。ズッキューンキュンキュン!何だ この可愛い仕草は。藤田 全力で悶えた。
「あのぅ…おはようございます、正彦さん……」
「やあ、おはよう真菜。」
オレは、爽やか紳士スマイルで答える。真菜は少し顔を染めながら、もじもじと何かを言いたそうにしている。
「何だ?」
「えっと…」
「ほら、言っちゃいなよ!」
「…ボクと一緒に…教室まで行ってくれませんか?ごめんなさい、嫌ですよね。ごめんなさい。」
なんだ、そんなことか。
しかも また謝ってる。どうしてこうも極度のマイナス思考なんだ。もっと堂々としていれば可愛いからモテるだろうな。もちろん男に。
「全然オッケーさ」
「ほっほんとですか!?」
真菜はパアッと顔を綻ばせている。
というより真菜に頼まれなくても可愛いから…じゃなくて友達だから一緒に行くに決まっているじゃないか。
うん、友達だから。決して可愛い訳じゃないぞ。しっかりするんだ、オレ。
学校で問題を起こしちゃいけない、ゼッタイ。
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