74人が本棚に入れています
本棚に追加
学校に着いたオレは一番初めにすることがある。体育館に行くことだ。
体育館で何するのって?フッ…お楽しみにしときなさい!
にやにや顔でオレは体育館に向かう。別にわざとにやにやしている訳ではない。ただアイツに触る…じゃなくて会うのが楽しみ過ぎて、笑みがこぼれているだけだ。
「あ、藤田~!」
オレに気付いて走りながら声をかけてきたアイツはオレの幼馴染みの高原 晴紀(タカハラ ハルキ)。晴紀はバスケ部で、いつも朝練をちゃんとしている頑張り屋さん。
オレは晴紀に手を挙げて答える。
「もう少しで終わるから待っといてくれる?」
「んも~!早くぅ」
オレはわざと上目使いで可愛く言ってみた。が、晴紀に綺麗にスルーされる。
「分かった。じゃあ また後でな~!」
晴紀はそれだけ言い残して戻っていく。
オレは普段、学校では真面目クンを演じてるつもりだが たまに… と言うより、しょっちゅうオレの変態なところが出る。まぁオレ自身、自分が変態だとは ミジンコ以上に思っていないが。
それはおいといて、不思議なことに しょっちゅうボロが出るのに周りに気付かれてない。フフフ…都合が良い限りだ。いつでもどこでも、ナンパし放題!もちろん男の子にね!!
数分してから朝練を終えたらしい晴紀が制服に着替えてオレのところに駆け寄ってきた。晴紀ったらオレのために走ってきてくれたのね!うひひひ嬉しいっ。
「お待たせ!」
「もぉ~、遅かったじゃなぁい!!」
オレは頬を膨らまして晴紀に抱き着く。その時、ついでに晴紀の太ももを撫で回した。良い太ももしてるな、晴紀って。じゅるり…
「やめろよ~。変に見られるじゃん!」
晴紀はオレの肩を押してくる。
だが、そんなことで動じるオレではない。オレは余計強く抱きしめた。
ああ…このまま自分のモノにしてしまいたい!
晴紀と同じ朝練を終えたバスケ部の連中が怪しい目で見てくる。が、そんなことはどうでもいい。
「ふ~じ~た~!皆に勘違いされんだろ~」
困った声でオレを引っぺがしてくる晴紀。惜しいところでオレは大人しく離れる。
抵抗しろだって?無理に決まってるじゃん。晴紀 運動部で筋肉あるし、ましてやオレ運動神経 死ぬほど無いから。
あ、でもその変わり頭はそこそこ良いと思うよ。毎回学年5位以内には入ってるからな。あまり勉強はしないが。
最初のコメントを投稿しよう!