近くにいること、心の中身

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「香川さんって、男の俺からしても格好良いと思うなぁ~。」 しみじみ村田が言った。 「クラスの生徒も事あるごとに『慎一郎マヂ格好良い!!』って騒いでるしなぁ。」 村田は香川がジャケットを羽織る真似をした。 「俺もなりたいな…。」 そう言って授業に出て行った。 2年くらい前に香川や亨たちとキャンプに行った事があった。 その時も途中で立ち寄ったお店で、逆ナンされていた。 相手の人はとっても美人な人だった。 結婚だって香川がその気になればいつだって出来るのに、香川はしようとしなかった。 “独身貴族がいい”とか“縛られたくない” みたいな事を言っていたが、本心は分からないままだった。  
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