近くにいること、心の中身

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「あぁ~疲れた。」 香川はいつもの席に座った。 「直樹、いつもの。」 ここは亨がいた頃から来ていたダーツバーで、 直樹というのは、香川の税理士事務所でバイトをしていた子である。 「香川さん、ダーツしません?? 一応ここ、ダーツバーですよ。」 このお店に来て、香川がダーツをしている姿を見たことがなかった。 「また今度な。」 いつもこのセリフだった。 「そんなんじゃ元気な高校生に嫌われちゃうよ。」 疲れた顔の香川を見て言った。 そして、杏樹は昼間に村田と話していた事を思いだした。 「ねぇ…慎ちゃんは結婚とか考える??」 今まで以外と聞いたことない質問だった。 香川は顔色一つ変えずに直樹を指差した。  
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