新たな始まり、出発

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「梶先生?!」 梶先生は私の担任ではなかったが、よく相談にのってもらっていた。 そのせいか、私はこの先生が好きだった。 「お久しぶりです。」 昔の事を思い出して少し恥ずかしかった。 「初めまして。    香川と申します。」 大人の二人はお互いに挨拶を交わしていた。 私の頭の上でやり取りをする二人は、 学生気分が抜けきれていない私にとって“大人”そのものだった。 「美並が体育館で挨拶してるから驚いたよ!!元気そうだな。」 高校時代、先生を好きだった事を思い出すと、昔のように話せなかった。 「また話聞かせて!!夜来るだろ??それじゃあ。」 梶は走って教室に向かった。 「夜って歓迎会でしたね。絶対出なきゃだめですか?!」 私は梶と上手く話せる自信がなかった。 恥ずかしさが前に出てしまう…。 「嫌われたくなければね。」 香川はまた大きな手を私の頭にのせた。 「俺も行くから。」 私はその言葉でスッと気分が晴れて行くのがわかった。  
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