忘れられない、思い出

2/16
前へ
/35ページ
次へ
私の仕事は学校の事務である。 大学卒業後、私はこの仕事に就くことができた。 しかし、香川は違う。 税理士として働いていた事務所を辞めて、こっちに転職したのだ。 明らかにこの転職にはリスクがあった。 せっかく手に入れた資格を手放し、給与だってガクンと下がる。 そんなマイナスでしかない生活を課した原因は私かもしれない。 でも香川は自分から仕事を辞めて私の近くにいてくれる。 側にいてくれることに安心しすぎて…でも近くにいるのに彼の心に触れたことがない。 触れる隙を与えないのか、私が子どもなのか…。 時々自分が嫌になる。  
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加