ホントの旅立ち~山東,山西省編

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洛陽から北京に戻ったわたしは再び留学生活に戻り、中国語の勉強をして毎日授業にでていた。留学先の仲間と遊び、彼女もいたのでそれなりに楽しい留学生活を送っていた。しかし、シルクロードで体験した自由を思い出す度に強い憧れを感じた。わたしは60年代後半から70年代のロックが大好きで、当時の自由な空気を体験したいと常々思っていたが、まだ長い旅に出ようとは思わず、相変わらずあと一年留学し、帰国後は日本で働こうと思っていた。 旅行は好きになったので、土日と一日授業をサボるくらいの時間を作って北京から近い場所へ数回行った。万里の長城の一番東にあたる山海関に行って、長城の壮大さに度肝を抜かれ、一ヶ月後くらいに仏教聖地の五台山へクラスメイトと行くことにした。 何故、地球の歩き方に載ってない五台山なんぞに行ったかというと、クラスメイトの谷本君が敬謙な仏教徒で聖地に巡礼したいと思っていたので、バスや列車の乗り方が分かった程度だが少し旅馴れたわたしが付き合うことになった。 五台山でその後を決定づける出来事が起こった。
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