ホントの旅立ち~山東,山西省編

3/18
前へ
/132ページ
次へ
金曜日の昼過ぎに北京をバスで出発し、夜には山西省の太原に着いた。バスターミナル近くの招待所に泊まり、翌日朝早くに五台山へ向かった。 季節は6月だが標高が高いせいか朝は以外と涼しい。山頂へ続く参道で地図と杖を購入し登山を始めた。 登りはじめて1時間ほど経って、谷本君が地図を見ながら 『こっちから登った方が面白そうじゃないすか?』 と言ってきたので何も考えずに旧道らしきルートから登ることを了承した。背の低い花が綺麗に咲いてる草原を抜けて歩き続けると、道がだんだん狭くなって、獣道みたいになってきた。なんとか道が続いてるので先に進んだら、発破をして工事をしてる中国人が居て道を聞いて、少なくなってきたので水を分けてもらった。 工事現場の中国人に教えてもらったとおりに進むがずっと獣道でこのルートを提案した谷本君を心から怨んだ。奴は敬謙な仏教徒だが、基本はバカということを忘れていた。夕方になりますます心細くなってきたころ山の上に小さいストゥーパと伽藍が見えてきた。力を振り絞り急いで尾根づたいに登りお寺に着いた頃には午後6時を回っていたので、泊めてもらうことにした。
/132ページ

最初のコメントを投稿しよう!

166人が本棚に入れています
本棚に追加