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迷ったあげくに泊めてもらったお寺は五台山から数キロ離れた場所にあるお坊さんが3人しか居ない小さなお寺だった。
夕方に着いたので、夕飯をご馳走になり、3組しか無い布団の一組をゆずってくれた。よく考えたら昼飯を食べてなくて、この時に食べた野菜の煮物は質素だが凄く美味しくご飯にぶっかけてわたしと谷本くんは揃ってお代わりもさせてもらえた。お借りした布団は一組しかないのでわたしと谷本君は必然的に一緒に寝たが二人共疲れていたのでぐっすり眠った。
朝は読経で目が覚めたので、二人して読経している後ろに座って手を合わせ瞑想した。朝ごはんに饅頭と水までいただき、お礼を渡して五台山に向かおうとしたが、お金を受け取ってくれない。訳を聞くと
『あなたがたは仏に拝んでくれたし、私達はお金を貰っても使えない』
と、言われた。わたしと谷本君は大いに感動し、もう一度本尊に拝み、二人共聞き忘れてたようで名前も解らないお寺を後にした。
数時間歩いて五台山山頂に着き、参拝してから当日中に麓まで通常ルートで下山した。麓でもう一泊して麓のお寺を巡り、北京に戻った。
わたしはこの時は観光地や北京に居る中国人のがめつさやケチさに飽き飽きしていたが、良い人もたくさんいることを再認識した。
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