ホントの旅立ち~山東,山西省編

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とうとう全ての条件が揃ってしまった。 ・鳴砂山で広大な自然を見た。 ・莫高窟と龍門石窟で素晴らしい文化遺産を見た。 ・バックパッカーから色んな話を聞いて、ハシシを吸って陶酔した。 ・五台山で人に助けてもらい、暖かさに触れた。 長期放浪したくなる全項目を満たしてしまったので、留学を切り上げ行けるところまで旅に出ることにした。五台山の経験がなかったら恐らくわたしは観光地を淡々と廻る旅行者になっていただろう。 わたしは生来の貧乏性らしく留学中は殆ど金を遣わず親から貰った生活費が30万余っていた。それと留学前に自分で貯めた120万。更に旅費がどの程度かかるか解らないので祖父から100万借りた。 わたしの両親は放任主義だし、祖父は40代の時半年程東欧を放浪してたので、誰も反対しなかった。 地球の歩き方を借りて北京で『日光』という中国産の訳解らないバックパックや偽物ウインドブレーカーなどを購入し、着々と準備を進めた。 半年間の留学行程を終え、彼女にも別れを告げて彼女以外からは快く送り出せてもらえた。 彼女には『留学終わったら一緒に日本に戻ろう』と言ってたので完全に裏切り行為で心が痛いが、あと戻りはできん。
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