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初めてバックパックを背負い意気揚々と出発し、ガイドブックなどを持っていないわたしはまず北京のゲストハウスで情報収集しようとしたが、本屋で中国語の旅行書を立ち読みしていたら、衝動的に泰山に登りたくなったので、大きめのバスターミナルを数ヶ所周り、汗だくになり馴れないバックパックに四苦八苦した結果泰山に近い泰安行きのバスを見つけて出発当日に北京を出ていった。
何故いきなり泰山へ登りたくなったというと、泰山はその昔に歴代皇帝が行幸したらしく、決して標高は高く無いが、中国一シンボリックな山と言っても過言ではない。山頂が晴れていたら朝日が大層綺麗らしく、そんな山でバックパッカーのスタートを切りたかったのと、なによりも北京をうろついて知り合いに会いたくなかった。
7月なのにエアコンが効いていないマイクロバスに半日揺られ、泰安に着くとホテルの客引きが大挙して押し寄せてきてすでに夕方だし疲れているので、泰山に登る予定の近くに居た中国人と同じ宿にした。
部屋は10個くらいベッドがあるドミトリールームで外国人はわたし一人だった。やたらと安いし、パスポートの提示が必要なかったし、ここも本当は外国人が泊まれない宿だろう。
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