バックパッカーとの遭遇

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中国語を北京の大学でマスターし日本に戻って語学を生かした仕事に就こうと思ったわたしは3月に北京に入った。 日本ですでに中国語の勉強をしていたが、今までの人生に無いレベルで毎日語学のスキルアップに勤め、2ヶ月たった頃、周りの留学生が5月のメーデー前後の大型連休をいかに過ごすか話題になりだした。当時手が早かったわたしは同じ留学生の彼女(日本人)が居たが、彼女は日本から友達が来るらしくわたしは見ず知らずの彼女の友人と過ごすのも嫌なので留学生仲間から『地球の歩き方』を借りて旅行の計画を練りはじめる。 大型連休があることなど知らなかったわたしは時間も無いので特別考えずに行き先はシルクロード方面と決まる。理由は何となくロマンを感じるのと昔『敦煌』という映画を見てすごい場所という漠然とした印象があったから。この時点ですでにいい加減である。 行き先を敦煌と西安に絞り、チケットを北京西駅にて購入した。ボストンバック(この時点ではバックパッカーではない)に着替えや洗面用具など一般の旅行に必要な荷物と辞書など勉強道具一式と地球の歩き方のコピーを詰めて、留学生寮を出発した。
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