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舞う
白く冷たい『雪』は、この街に平等に舞い降りた
まるで、この季節を待ち望んだかのようだ
僕のところにも、隣の家の人にも
しばらくして、街は白く染まった
外から聞こえてくる、子供のはしゃいでる声
それに交じって僕も遊ぶ
時を忘れて
…気が付けば、
また舞う
『雪』は止む事なく舞う
暗くなっても止まず
次の日、僕はまた、子供達に交じって遊ぶ
次の日も、次の日も遊ぶだろう
…気が付けば、
何時しか『雪』は無くなっていた
子供達の姿は見えなくなった
僕も外へ出て行かなくなった
「…来年また来るさ」
今、白く染まったあの街から外へ出ようと一歩踏み出した
…そして今、
この街の桜が、風に舞っていた
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