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「…。どういう事?」
「お前でもヘタレる事もあるだって事だ。♪」
「…狼…。」
俺は本当ににあの女から言いふらしかねない…と、恐怖でちゃんと広場に向かった。
彼女は中央のベンチで寝っころがって眠っていた。
「オーイ。男じゃねぇんだから。」
「…。」
彼女から反応は無かった。
(マジで寝てんのか?)
顔を覗きこんだら胸倉を掴まれグッと彼女の顔の元へ引き込まれた。
彼女と近くで見つめ合ったのは2回目だ。
彼女の真っ直ぐな瞳を近くで見ると何もかも見透かされているような感覚になり、ドキドキする。
いや、でもこのドキドキはきっと警察に追われる犯人のようなドキドキ感だろ。
「…あの、小夜姫さん?」
「これでも男に見える?」
「いえ、見えません。」
「よろしい。」
彼女は起き上がった。
「てか…なんで“離婚調停中”なんすか?」
「昨日あんたが女の子に責められて、あたしにとばっちりが来たときにとっさに“離婚を考えているけど子供がいるから”って嘘ついたじゃない。」
「ああ…。え?それで?余計ややこしいんですけど。」
「ややこしい?どこが?」
「普通に名前で入れて下さい。つか、その前にに人のカバンを勝手にあさるな!💢」
「だって君…。」
「それに!小夜姫さんは俺がお前とか言うと怒るクセに自分は俺の事を君とかあんたとかで名前で呼ばねーで矛盾しまくりじゃねーか。」
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