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俺は怒鳴り散らす2人と酔った彼女を連れてグラスの外に出た。
夏なのに夜になると少し涼しくなり、街灯も少なく薄暗い。
「魁!!どーゆー事よ!電話も出てくれないし!!」
「魁君!!この女、彼女って本当なの!?彼女居ないって言ってたじゃん!」
「大体、そこにいる女は誰よ!」
「そーよ!誰なのよ!!」
2人は彼女に詰め寄った。
「あたしぃ~?あたしは若宮小夜姫[ワカミヤセレナ]ー。」
「名前なんかきーてねーっての!」
「ちょっと!オイオイー2人か共落ち着けって~。」
俺は2人を彼女から遠ざけた。
「どんな関係かって聞いてんだよ!糞女!」
(女の子が糞って言うなよ…。)
その時彼女の顔が一変し、冷たい鋭い目になった…と思ったら笑顔で突然左手を上に上げた。
「この指輪…見える?」
左手の薬指には指輪が光っていた。
「あたし、彼の奥さん。」
『はぁ!!??』
2人と一緒に俺も思わず叫んだ。
彼女はペラペラと喋り出した。
「うちの旦那がごめんね。彼いっつもこうなの。
一時期離婚も考えたけど、やっぱりシングルマザーになるのは大変でしょ?子供の為に今は我慢してるの。
今日は結婚記念日なのにいつまでも経っても帰って来ないから、どうせまた此処に居るんだと思って。
あたしと彼が出逢ったのも此処でナンパされたんだけどね。
彼、ゴム付けてくれないから子供が出来ちゃってー今に至るって訳よ。」
2人と俺はしばらく絶対していたが、2人は口を開いた。
「こ…子供がいるの?」
「ええ。」
「さいってぇー!!!」
次の瞬間2人の平手打ちを思いっ切り食らった。
「いってー!!!」
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