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髪をとかし終わって、再び台所に向かった。
「パン焼けた?」
「ええ、もうテーブルに置いといたわよ。ジャムは自分でつけてね」
「はーい」
佳奈はジャムの瓶の蓋を取って、スプーンでパンの上に塗った。あたしは苺ジャムが好きだけどお母さんはブルーベリージャムが好きなので家にあるジャムはブルーベリージャムだけだ。
もう一ヶ月前からずっとブルーベリージャムだ。
あたしは飽きてきたがお母さんは飽きたなら『塗らなければいいじゃない』と言ってジャムを変えてくれる様子は一切ない。
佳奈はよくドラマでパンをくわえながら走って学校に行くシーンを思い出した。
あれをやってみようかと思い、パンをくわえたまま鞄を持ってドアを開けた。
「行って来ま―す」
「行ってらっしゃい」
佳奈はドアを閉めてパンをくわえたまま走った。
といっても足が遅いからそんなに速いペースでは前に進めない。
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