案内狼のクロム

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通行料になりそうな物、いま持ってたっけ…? 今、携帯している物は財布とケータイ。それから大好物のペロちゃんキャンディー(イチゴ味)8本くらい。 ペロちゃんキャンディーは本気で死守。何があっても。 だって、ペロちゃんキャンディーを食べる事はオレのライフワークだから。仕事だよ仕事。 大事なライフワークを取り上げられてたまるか。 それと、ケータイも無理かな。 だってオレ、ケータイ依存症だもの。使ってなくても手元になくちゃ不安になるし。 そうなると通行料として払えるのは財布かな。 中身もそんなに入ってないし。 カードは抜くけど。 でも、コチラの世界で財布って価値ある物なのかな。 『ねぇ、クロム。 オレ、コレしか払えるもん無いんだけど。コレで平気ー?』 手に持つブランドの財布を見せてみる。 「このボクでさえ夜斗からプレゼントもらった事ないのに!ヘタレクロムのくせに!」と、騒いでいるベルは無視。 何でベルは、あぁも一々うるさいのか。一人だけテンションが高い変人だよ。 クロムは財布を見て「ソレは必要ない」と言った。 ……やっぱりコチラでは、財布に価値はないのか。 なら、どうしよう。 ペロちゃんキャンディーだけは渡さないぞっ!絶対にっ!大好物だからねっ! さてさて本当にどうしようか、と考え込もうとしたら、急に視界が何かでふさがった。 え、なに? 混乱していたら唇に、ふにっ、とした違和感が。 唇をハミハミはまれて、次にヌルッとした舌が割入ってくる。 その舌は我が物顔で中を動き回り、オレの舌を追尾しては絡め取った。 横に視線を反らせば、呆然としているベルがいた。 マヌケな顔ー。 ++
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