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白ウサギのシャル
「ココがレオの治める城下街、
ワンパークだよ!!」
『何、その街の名前。
頭悪そうじゃん。』
「酷っ!」
街の名前はとってもふざけていると思うけど、街自体はキレイな所だ。
今は大きな公園にいる。
青々とした木々に囲まれ、水が七色に光る噴水もある。
噴き出すたびに色が変わるし、元は水だから太陽の光りを反射してキラキラ。虹よりも美しい。
「シャルを呼ばなくては…」
『なんで?このまま城行けばいーじゃん。ちょっと遠いけど、目の前に見えるよ?』
「城を自由に行き来できるなのは、レオとシャルだけなのさ!」
『ほー。そーなのか。面倒だ。
てかさ、ベル。』
「ん、何だい、夜斗?」
『そろそろ手、離してよ。』
オレとベルは手を繋いだままだった。あまり気にする程の事じゃないけど、クロムの視線が痛い。
「イヤだ!ボクと夜斗は恋人同士だろう?恋人達は手を繋ぐものさっ!」
『………(いつからオレ達は恋人同士になったんだろう)』
無言のまま、ベルの手に爪をたてる。
ベルは「痛っ!」って顔をしかめるけど、手を離す事なく「ちぇー」と唇を突き出すだけだった。
うーん、しつこい……。
目線でクロムに飛ばし、助けを求めてみると伝わったみたいで、また、罪と罰ちゃんチョップでベルを沈めた。
(ベルって、学習しないオバカさんだよねー。すごくアホ。)
クロムが親指と人差し指わっかを作り、ピュ~と口笛を吹いた。
それから数分足らずで小さめの鳥がやってきた。
クロムはその鳥を捕まえて、鳥の両目を押した。
いきなり目潰し?え?怖いんだけど、クロム!恐しっ!
鳥もバタバタ暴れて痛がってるし。可哀相……。
《シャルか?》
《ん、そぉだよ。なぁーに?》
《お前が連れてきた人間を、城に連れて行きたいんだが。》
《りょーかいっ!10分後くらいにソッチ行くねー!》
クロムとシャルの通話が終わると、鳥はフラフラしながら飛び去っていった。
あぁ、あの鳥は通信機(?)だったんだ。にしても、残念だよな、アレ。
『あの鳥、かわいそー』
「いいんだよ。アレ(通信機代わり)があの鳥の役職だからね!」
んー。
つくづくこの世界が解らん。
++
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