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ノドを潤すため、ベルにカップを借りて紅茶を飲んだ。
(カモミールセイロン、あんまり好きじゃないんだけど、今は美味しく感じるー)
ノドの渇きは癒された。
『ところでさーベルー』
「何だい?ハニー」
『どこからカップ出したのー?
最初に会った時はカップなんて持ってなかったじゃん』
「ん?取り出しポケット?」
取り出しポケットとやらも、ココでは常識らしい。
何となく、
《某国民アニメの青狸》
を、思い出してしまう。
どうにもココでは、オレの知る常識は通じないみたいだ。
こんだけ常識外の事が起こるということは、オレの居た場所と違うのではないか。
オレの居た所では、湖の気まぐれで味が変わったりなんかしないし、四次元的なポケットなんてなかった。
弾き出された答えは2つ。
夢であるか異世界であるか。
ベタな事だとは解っているけど、頬を抓ってみる。
・・・・・・痛い。
「ん?夜斗。ほっぺなんか抓って、どうしたんだい?
ほっぺが赤くなっている夜斗は、とってもキュートだけど!」
『ん、あ?んー……』
ベルが何か言っていけど、無視だ。ベルに構える程、思考に余裕がない。
痛いという事は夢ではないということ。
いまだヒリヒリ痛む頬が、夢ではないと証明している。
『なぁ、ベル。オレ、この世界の住人じゃないっぽいんだけどー』
「あぁ、そんな事か。
勿論、知っているさ!」
『・・・・・・なんでー?』
「だってシャルが連れて来たって言ってたし。
夜斗はボクの嫁になる人だからね!何でも知っているよ!」
『シャルって、だれー?』
(ベルって頭おかしーのかな…?
てか、何でも知ってるって、怖いんだけど。ストーカー……?)
「アレ?シャルについて来たんだろう?違うのかい?」
ベルはキョトン、と、効果音がついてきそうな程、犬が主人の顔色をうかがう様な顔をしている。
オレがついてきたのは、ウサギなんだけど……
『シャルって、ウサギー?』
「そう!ソレだよ!
レオに仕えてる白ウサギ。」
また新しい名前が出てきた。
名前、言われたって、誰だかわからないし・・・。
++
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