案内狼のクロム

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案内狼のクロム

※ちゅう有り レオに会うため、クロムを探す事にした。 調度良い事に、クロムはこの森の何処かにいるとベルが言っていたし。 『別にベルはついて来なくても良いんだよー?』 「そんな悲しいこと言うなよ、ハニー!ボクと夜斗の仲じゃないか!」 『(一体、どんな仲になったと言うのだろうか……)』 ベルに手をとられ、歩き出す。 男同士で恋人つなぎって……。 男と恋人つなぎするなら、あやめちゃん(幼なじみ)って決めてたのにー。 あ、あやめちゃんの事思い出したら、猛烈に帰りたくなってきた。 元居た世界では、将来の人生計画だってたててたのにー。 ちなみに、将来はテキトーにサラリーマンになって、30歳前後で可愛い嫁サンもらって。 んで、一姫二太郎を育てあげて、会社退職して。 老後はまったりスローライフ。 あー、かえりたーい。 ホームシックだよ、もー。 「どうしたんだい夜斗? ずいぶん大人しいね。」 『んー、ただのホームシック。 気にしないでー。』 「夜斗の事だったら何でも気になるよ!ホームシックならボクが家族になってあげる。そうしたら悲しくないだろう? ・・・あぁ!ソレが良い! ボクのお嫁サンになれば良い! 夜斗なら大歓迎さ!」 『……ありがとー。 けど、嫁の件は遠慮しとく。』 「何故だい!?こんなにも愛しているのに!ボクのどこが不満なんだい!?」 オーマイガッ! アメリカ人の方が落胆する時のように、手を頭におき、のけ反ってショックを表すベル。 そこまでショック受けてないくせに。演技がましい。 あ、でも。 ベルに不満があるワケじゃないよ。ただ、オレがいけないのよー。 だって(オレのいた国では)男は嫁にはなれないもの。 一々、動きが過剰なベル。 けれど、ベルと話ししていたら、ホームシックを感じていた心が軽くなった。 …コイツと居るのも悪くない。 ++
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