蜃気楼

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蜃気楼

茹だるような暑さ 夜になれど納まらず 汗ばむこの身体 君が指先に触れた   潤む瞳に 写った闇に吸込まれ このままずっと 時間が止まればいいのに     お互いに何一つ 知らないままで構わない この夏の夜にだけ 浮かび上がる蜃気楼   言葉でさえも 今夜は邪魔になるだけさ 今はこうして 二人で深く堕ちて往こう     抱き締める事だけが現実 明日には別々の太陽の下で…     これも一つの 愛だと言い切ってしまえば この瞬間も 儚く消えてしまいそうで…   今はこうして 二人で深く堕ちて往こう
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