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「ふんっ、バッカじゃないの。そんなわけないじゃない。」
ツーンと朝倉に返すと、朝倉は明らかにイラッとした顔をした。
「可愛くねぇな。」
「可愛くなくて、結構。あたしは綺麗系なのよ。」
朝倉の口から出された言葉を聞いて、微かに眉を歪めた。
少し胸が痛くなったけど、全然気にしてないように振る舞う。
「綺麗系か。自分で言えるほど、自信過剰ってわけだ。」
「うるさいわね。本当のことだから、しょうがないでしょ。朝倉と話してると疲れるのよね。由香里、行こ。」
由香里の腕を引き、朝倉を一瞥して、廊下に出ようと歩いた。
「ごめんね、朝倉くん。花梨って、強気な子だけど、悪い子じゃないからねぇ。」
ほんわか笑って朝倉に言う由香里。
「そうか?ま、別に気にしてねぇよ。」
朝倉も由香里にフッと笑いかける。
ああ…、由香里みたいに素直になれたら、あたしも朝倉の笑顔を真っ正面から見ることが出来るのかな…。
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