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「仕方ないじゃない。
ホームルーム中にアイツの顔見て、イラッてきちゃったんだから。
大体あたしはね、女の子みたいな顔してる男は無理なの!
見ただけでゾッとするわ!!」
椅子に座り直しながら言う。
「なら、見なければいいじゃない。花梨が見るから、いつも喧嘩になるんでしょ?それに朝倉くん、可愛いけど性格格好いいじゃない。」
由香里が冷静に言う。
まあ、確かにそうなんだけど…あたしが朝倉を見なければいい話し。
でも好きなんだもん…。
矛盾してるけどね。
本当は可愛い顔を見て、ゾッとなんかしない。ただ羨ましいだけ。
それに、そういう設定にした方がバレないからってだけ。
現に…由香里には、あたしが朝倉のこと好きなのバレてないもの。
「私は朝倉くん素敵だと思うけどなぁ。格好いいし、可愛いし、クールなとこもあったり…。」
由香里が夢見心地な顔で言った。
「げっ!」
まさか…由香里も好きなわけ!?由香里みたいな可愛い系の子がライバルだったら勝ち目ないじゃん。
まあ、あたしは綺麗系だけど。
「なに?どうかした?すごい声が出てたけど。」
由香里が天使のような微笑みをこっちに向けてきた。
「う、ううんっ!
何でもない!てか、由香里~。
まさか、あんなんがタイプなの?
有り得ないよ!
由香里は、ガッシリとした男らしいほうが似合うってー。」
朝倉の方をチラチラと見ながら、ワザと大きな声で由香里に笑いながら言った。
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