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朝倉は、あたしの方に見向きもせずに、ひたすら本をパラパラと読んでいる。
…朝倉の悪口を言いながらも、やっぱりアイツは格好いいと…再認識してしまう。
髪はショートで茶髪。目も茶色。
女の子みたいに髪がサラサラで…。でも、ワックスでボリュームを少しだけつけているみたい。
横顔は鼻が高いし、長い睫毛が綺麗…。
あたし並みに綺麗な顔立ちかも。
「まあ、朝倉みたいなヤサ男には興味ないから、どうでもいいんだけどね~。」
さんざんボロクソ言って、最後はヤサ男扱い。
あたしの言動に、朝倉は席を立った。
そしてカツカツとあたしの方に歩いてきて、メンチを切るようにギロッと睨んでくる。
普通の女子なら怯えるけど、あたしは怯えない。
「なに?可愛い可愛い朝倉くん。」
腕を組み、ワザと皮肉っぽく朝倉に言い放った。
「お前、うるせーんだよ。毎回毎回喧嘩売ってきやがって。」
「あーら、喧嘩買わなきゃいいんじゃない?別にあたしは売ってるつもりはないけど。」
「さっきみたいに俺の方見ながら、ギャーギャー言われてたらさすがに腹立つっつーの。」
「自意識過剰すぎるんじゃないの?」
「さてはお前、俺が格好良すぎるから見惚れてたとか?」
…まあ正解だわ…。
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