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真冬で、風もないので冷え込みはかなり厳しいものがあったが、よく晴れたおだやかな雪山をゆっくりと登った。クリスマスから降り続いた雪はかなりの量で、早朝、まだ誰も足跡をつけていない深い雪道をラッセルしながら登るのは大変だったが、この無垢でまっ白な雪原に、自分が最初に足を踏み入れているのだと思うと、実に気分がいい。林を抜けて稜線に出ると、朝陽を受けて金色に輝く砂丘のような雪原がひらけた。
眩しい。
このなだらかなカーブを描く金色の丘を越えてしまえば、その先になじみの山小屋がある。風もないし、少しここで休憩することにした。
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