Beginning Memory

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私が藍凪学園に入学して二度目の春がこようとしていた 春休み最後の日である今日、私は学校の教室で一人気づいたら無我夢中で歌を歌っていた いつの間にか涙まで出ている気がした。声も少しずつ枯れ始めて歌うのををやめた 私は裏切られた。バンドのメンバーに。ただ単純に歌っていたかった 窓ガラスから見える咲き欠けか枯れているのか分からない桜の木は涙で滲んではっきりと見えないけどどこか今の自分のようだと私はふいに思った 私がいる教室のドアが【ガラガラ】とゆっくり開く音が聞こえ涙を拭い振り向くと男子生徒がいた
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