戦慄と旋律の狭間

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戦慄と旋律の狭間

気が付けばニートだった、て話しはこの就職難な時代では珍しい事ではない。 高校生の就職内定率の低下は近年凄まじく問題化しているのは有名な話だが、その就職難の被害に俺はあったと言っていい。 季節は春風が心地よい4月の中旬、桜の開花があちこちで起こり、世間では就職難な事態を一時忘れて浮かれ騒いでいた。 俺はそんな浮かれを他人事に見据えている、桜を見てなにが楽しいのか俺には全く理解しがたい。 花見の思い出と言えば、父親が昼間から酔払った挙げ句、上半身裸になり近くにあった池にダイブした記憶しかない。 あの時は俺も心底焦った、なんせ池の中では如何にも高級そうな鯉が泳いでいたのだ。もしその鯉に被害を与えでもしたら内の家庭は大丈夫なのかと思った訳だ。 結果として内の親父は春先から風を引き、スタンド使いになるとか何とかしばし情緒不安定になったのだ。 盛大に話が脱線したのはいいが、うむ俺が言いたい事は。 俺はすっかり゛ニート゛になっていたのだ。 高卒と言う事もあるのか、企業は俺を雇ってはくれない。かと言って土木や漁業に手を出す自信と勇気はない訳で、安パイな仕事を求めた結果がこれだ。 手に職を付けない、そして働く気力を使い果たした、で俺はニートに転生した。 因みにフリーターだけにはなりたくない、もう後もどり出来ない気がするんだ。
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