プロローグ

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でも、努力の源を手に入れられるだけで、有り難いと思ってもらいたい。 祈っても、願っても何も得られないことだってあるのだ。 例えば、交通事故で家族の一人が目を覚まさなくなった場合。 その他の家族のみんなは、神に何度も祈るのではないでしょうか? 実際に想像してみてください。 あなたは『どうか目を覚ましますように』って何度も祈りませんか? 俺もその一人だ。 でも、祈っても祈っても目を覚まさなければ、日に日に積もっていくのは不安ばかり。 『もう一生目を覚まさないのではないだろうか』なんてマイナス思考になってしまったりするだろう。 そう、他人のことを自分が祈っても、得することは何もない。 自分をどんどん窮地に追い込んでいるだけなのだ。 もし本当に神がいるなら、まず事故の時点で止められているはずである。 それどころか、世界中の人々の願いが叶い、この世はとっくに幸せに満ちているはずである。
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