序章

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私はインターホンを押した。 しかし応答がない。 私はもう一度インターホンを押した。 … また応答はない。 もしや家にいない? いや、音楽を流したまま一時間以上も出掛けるなんて普通はしない。 居留守か? それこそこれだけ音楽を大音量でかけていてバレないと思えるはずがない。 第一、これだけの針飛びを放っておくことなんてしないだろう。 まさか…? 不審に思い、私はドアのノブをひねった。 鍵が開いている。 女性の部屋に無断で入るなど無礼かとも考えたが、もし彼女が貧血などで倒れていたら… 私は意を決して家に入った。 「プロムナイトさん?入りますよ?」 「お邪魔します」 後ろ手にドアを閉める。 蓄音機からは相変わらず気味の悪い哀願が聞こえた。 リビングのドアを開けるとそこには 「プロムナイト、さん…?」 生きているかの様に何かを抱いた彼女の死体が立っていた…――― .
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