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色んなことを聞かずに、ただ女の子を部屋に入れた。
「何があって、どこから来たのかとか、聞かないけど名前は、教えてよ」
暖かいココアを入れながら玲が言う。
湯気のたったマグカップを差し出され、受け取りながら女の子は答えた。
「・・・世菜(せな)」
「俺は、玲。」
「・・・」
「・・・」
会話が途切れる。
玲は世菜の隣に座った。
世菜は細身で色白だった。髪はロング。キスしたくなるような唇。
抱きしめたら、壊れてしまうんじゃないかと、玲は思った。
「風呂、入りなよ」
玲は立ち上がり、タオルを渡しながら世菜に声をかけた。
「・・・ん」
タオルを手に取り、世菜はお風呂場へ行った。
『あの肌、触りたくなる』
玲はそんなことを考えながら、自分のコーヒーを飲んだ。
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