8人が本棚に入れています
本棚に追加
しかしながら、計算上は便器まで小便が届かないという「放水ミス」は銃筒を真上に向けたり、真下に向けたりしない限り、手で放水銃を支持している限り起こらない。
つまり、便器まで小便が届かないという「放水ミス」はほとんどの場合「放水角度」のせいではないみたいだ。
つまり、「銃筒の先端を出る時の初速度」が問題だったと考えるのが自然なのである。
それでは「銃筒の先端を出る時の初速度」はどのようにして決まっているのだろうか?
腹筋で膀胱に圧力Pをかけて、銃筒の先端から小便を初速度VΦで放水作業を行うのである。
膀胱に圧力Pをかけた場合には、膀胱からbP(bは比例定数)と表せる量の小便が銃筒に送り込まれる。
その場合、その量の小便が銃筒の先端から単位時間に出るわけだから、銃筒の先端の口径をAとすれば、
VΦ=bP/A
と表すことができる。
すなわち「銃筒の先端を出るときの初速度VΦ」は腹筋で膀胱を締め付ける圧力Pに比例し、銃筒の先端の口径Aに反比例するのである。
さて、いくら腹筋が強い人であっても腹筋をいきなり締め付けることはできない。
つまり、腹筋で膀胱を締め付ける圧力Pというものは徐々に大きくなるのである。
すると一見「銃筒の先端を出る時の初速度VΦ」も0から徐々に大きくなるように思える。
すなわち、放水作業を開始した最初の瞬間は「銃筒の先端を出る時の初速度VΦ」=0であって、小便の飛距離も0になるかに見える。
しかし、便器まで小便が届かないという「放水ミス」が必ず起きるかというと、実はそういうわけではない。
ポンプである膀胱から銃筒の先端までは、ある程度の長さがある。
もちろん、その長さは一定ではないのだが、とにかくある程度の長さがある。
そのため、小便が銃筒の先端から出る瞬間には、ポンプである膀胱にかかっている圧力Pは0ではないのである。
すなわち、膀胱から銃筒の先端まである程度の長さがありさえすれば、「銃筒の先端を出る時の初速度VΦ」はけっこう大きくすることができるのだ。
最初のコメントを投稿しよう!