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「だから女になりたくなかったのよ……」
そう呟くジャックの顔は酷く疲弊していた。
理由は簡単、マリーが抱きついていた為である。
マリーはジャックが起きてからというもの、彼女にベッタリだった。
時には甘い言葉を囁き、特にはセクハラをし、ジャックはその度に赤くなったり青くなったりと、非常に忙しい。
恋人でなければ海に突き落としている所だろう。
「本当にマリーって可愛いなあ。妖精みたいだ。いや、妖精よりも可愛いよ」
「わかったから。わかったからホントお願い離れてちょうだい。じゃないとまた殴――ひゃあ!」
引き剥がそうとするジャック。
だがマリーはそんな事お構いなしに、あろうことか彼女の大きな胸に顔を埋める。
気持ちいいと膨らみを堪能する彼の表情は、今にも溶けてしまいそうな位幸せで満ちている。
近くで見ていたマスケット達も、どうしたものかと頭を抱えた。
女性の時もそうだったが、マリーはジャックに対して少々積極的過ぎる。
今まで男女の力の差でジャックが勝っていた所、性別が入れ替わった事でセクハラがエスカレートしていた。
「うぅ……もうっ、しつこい!!」
我慢の限界を超えたのか、ジャックが思い切り足を振り上げる。
それは見事にマリーの……いや、男性の急所に当たり、彼はあまりの激痛の為その場に沈没した。
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