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「ってかさ、船長とマリーって元々どっちの性別で生まれたんだ?」
マスケットはかねてより疑問に思っていた事を聞いてみた。
いくら性別が入れ替わるとはいえ、生まれた時にはどちらかで固定されてたはず。
ならば性格に誤差があるのもそのせいかもしれないと、マスケットは推測していた。
マリーは少し驚いたようで、目を丸くすると天を仰ぐように両手を広げてみせる。
その顔はやはり端正で涼しげなつくりをしていた。
「さすがマスケット、良い着眼点だね。本当に君の鋭さには参るよ」
マリーは風になびいて顔にかかった前髪を、白くて長い指で掻き上げる。
動作の1つ1つが格好良くて、その容姿も手伝いまるでどこかの王子のようだ。
「母親のお腹から出て来た時、僕は男で彼女は女だった。出会って性別が変わる事を知る前までは、僕は男だと思って生活していたし、彼女は女だと思って生活していたよ」
「それじゃあ元々の性別って……」
「僕らにとって性別なんてあって無いようなものだし、正誤をつけるつもりはない。けど敢えてつけるとしたら、ジャックは金髪でマリーが黒髪ってのが正しいかもね」
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