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潮風がジャックの髪の毛をすり抜けていく。
青天井の下、なびくふわふわの髪を、ガゼルはジッと見つめていた。
いや髪だけじゃない。
細く引き締まった体、豊満なバスト、小さな顔にはくりくりの大きな目。
男性の時も可愛いらしい顔立ちをしていたが、女性になり更にそれに磨きがかかったような気がすると、ガゼルは海を眺めるジャックの横顔を見て思った。
「僕の恋人、かわいーでしょう」
「マリーさん! 驚かせないで欲しいッス」
いつの間に復活したのやら、マリーがジャックとガゼルの間に割り込むように入ってきた。
左手はガゼルの肩に置き、右手はジャックにちょっかいを出している。
もっともその右手は、ジャックにつねられ赤くなっているのだが……。
「さてと、僕はそろそろ失礼するよ。ガゼル、マリーの事頼んだよ」
「どこに行くッスか?」
「んー、ちょっとハーロック船長の所にね」
ハーロックの言葉を聞き、ジャックがピクリと反応する。
そしてマリーの方を向くと、ジャックは彼にこう告げた。
「なら、私も行くわ。色々お世話になったし、お礼の1つはしなきゃ」
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