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「ねぇ、だから私を男に戻してほしいんだけど……」
「だーめっ! 男に戻ったら君は無茶するだろうし、何より僕が運べないよ。それにまだ女の子のマリーを堪能してないからね。あー、お尻も気持ちいいけど、太股も良い触り心地だなぁ」
ミシッという音でも聞こえてきそうな雰囲気で、ジャックはマリーの顔面に拳を埋め込む。
マリーの通った鼻筋から鼻血が垂れてきた。
ガゼルはその様子を呆れ顔で眺めていた。
先ほども撃沈させられたのに、懲りない人だなあと、マリーのジャックに対する暑苦しい位の愛を感じていた。
現在彼らはハーロックの船に向けて、海岸を歩いている所だった。
怪我の酷いジャックは、傷が開くと大変だからという事で、マリーに横抱き――所詮お姫様抱っこという方法で移動している。
「でもこのままじゃハーロックが混乱するでしょ!」
「だから説明役としてガゼルに着いて来てもらったんじゃないか。そうだよね、ガゼル」
同意を求められ、ガゼルは困ったように笑うと力無く頷く。
本来ならば船の修理に戻ろうとしていたので、いきなりの付き添い役にガゼルは戸惑っていた。
(でも、まあいっか)
しかし大好きな2人と一緒に居られるので、ガゼルはまあいっか、という気持ちでジャックとマリーにくっついていたのだった。
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