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「誰だそいつら」
ジャックとマリーの存在に気が付いたハーロックは、当然の疑問を口にする。
ガゼルと一緒に居る所を見ると、ジャックの一味である事は予想がついた。
だがしかし、果たしてこんな目立つ顔立ちをした2人、あの海賊船に乗っていただろうか?
ハーロックは提督艦襲撃時、アルバスに頼まれ砲弾の処理をしていた。
その為、甲板で起きていた出来事を知らなかったのである。
よって目の前の2人がジャックとマリーである事に気が付く訳がない。
「えっと、この2人はッスね、実は――」「こんにちはハーロック船長。僕はジャック。そして僕の腕の中に居るのが、恋人のマリー」
唐突に自己紹介を始めたマリーに、ハーロックはたじろぐ。
ガゼルも事の成り行きをハラハラしながら見守っていた。
ハーロックはもう一度2人を見る。
爽やかな印象の青年と、青年に抱かれた怪我だらけの少女。
所謂美男美女である2人だが、どこか見覚えのある風貌をしていた。
はて、とハーロックは考える。
しかし彼は頭が良いというわけではないし、危険が迫っているという状況でもないので、勘も働かない。
名前を名乗ったジャックとマリーだが、ハーロックは頭の中で目の前の2人を、自身の知る好敵手とその恋人という風に結び付ける事はなかった。
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